理解が深まる!原産地で分類したぶどうの種類をご紹介します

1.ぶどうの種類を原産地で分類すると?

スーパーでは年間を通して国産のものや輸入されたものなど、さまざまな品種のぶどうを見かけます。そんなぶどうですが、何種類くらいの品種があるのかご存知でしょうか。日本でぶどうの苗木を手に入れようとすると主な品種は30~50種類程度となりますが、手を尽くせば約100種類から選ぶことが可能です。約100種類でも十分に種類が豊富に感じられますが、日本国内から世界に目を転じてみると、なんと1万種類以上もの品種があると言われています。こんなにもたくさんあるぶどうの品種ですが、原産地で見ると「ヨーロッパ系」「北アメリカ系」「アジア系」の3つに分類することができます。それぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。

 

2.乾燥した気候を好む「ヨーロッパ系」

ヨーロッパ系のぶどうとは、ヨーロッパを原産としたものです。特徴としては乾燥した気候を好むことが挙げられ、降水量が多くてじめじめした場所では栽培しにくくなります。古来から日本の野山で野生で見ることができた「甲州」という品種は、一説によるとシルクロードを経由して伝来したヨーロッパ系のぶどうに分類されると言われています。甲州の皮の色は明るいえび茶色で、房はやや長めです。甘酸っぱさがクセになる甲州はそのまま食べるのはもちろん、フレッシュで軽やかな持ち味があるワインの原料としても使われています。

 

3.アメリカ原産の病害虫に強い「北アメリカ系」

北アメリカを原産とする北アメリカ系のぶどうの特徴としてまず挙げられるのは、病害虫に強いということです。北アメリカ系のぶどうの代表的な品種には、実の皮が濃い青紫色をしていて簡単にむくことができる「コンコード」というものがあります。日本ではほとんど見かけることはありませんが、アメリカでは古来から多く栽培されてきました。コンコードはそのまま生で食べることもありますが、キツネのようなニオイとも言われる強くて独特かつ濃厚な香りを持っています。そのため、ジュースや甘口のワイン、ジャムの原料にするなど、加工される機会の方が多く見られます。北アメリカ系のぶどうは病害虫に強いため、苗を作る際にはうまく接ぎ木ができるように台木に利用されることもあります。

 

4.湿った地域でも栽培できる「アジア系」

アジア系のぶどうとは、アジアを原産としたものをいいます。ヨーロッパ系が乾燥した気候を好むのに対して、アジア系は降水量が多い湿った気候でも栽培することができます。また、寒さにも強いため、ヨーロッパ系よりも幅広い地域で栽培しやすいという特徴があります。日本で栽培されているアジア系のぶどうの代表となる品種は、小粒の実がびっしりと連なる「デラウェア」です。デラウェアはすっきりとした甘さが上品なだけでなく、一粒が小さく子どもやお年寄りも食べやすいため、幅広い年齢層から人気のあるぶどうのひとつです。このデラウェアは日本の高湿度な気候にぴったりだったため、日本に伝わって以来、急速に栽培地域が広がっていきました。