ぶどうの収穫

1. ぶどうの収穫時期

ぶどうの収穫時期は品種によって違います。デラウェアは7月の初め頃、8月には高級ぶどうなど、6月末から9月にかけて種類別に収穫が行われます。そのためぶどう狩りのピークは8月下旬から9月中旬頃になります。品種によっては11月ころに収穫するものもあります。シャインマスカットを例にすると、開花から100日前後が収穫の目安です。そのぶどうのいいタイミングで収穫できると、全体に甘みも栄養も行き渡り、おいしい旬のぶどうが収穫できます。このようにぶどうの収穫時期は糖度と酸度を目安にして収穫します。収穫遅れは害虫被害などが増えるので注意が必要です。

 

2. 病害や害虫対策

おいしいぶどうを収穫するまでには、害虫対策も必要になります。虫を寄せ付けないように防虫ネットをしたり、薬剤散布で病気や害虫を予防しましょう。見つけた時は即座に駆除が必要になります。病気は一度発生してしまうと、鞘から鞘に感染する可能性があります。晩腐病はほとんどの品種に発生します。病原菌は枝に潜んで越冬することで知られ、成熟期に雨が多いと二次感染が増えてしまいます。

また、かび病は花穂や葉っぱ、果実にまで発病します。防除をするタイミングは開花前から落花後の10日頃までで、その期間に重点的に防除します。べと病は各器官の気孔から侵入することで感染し、潜伏期間を経て雨によって二次伝染がおこります。病気には薬剤が有効的です。

 

ぶどうにつく害虫には、イモムシのような見た目で、鞘に産卵をして、被害に遭った枝は紫色に変色するブドウスカシバや、幼虫がぶどうの幹を食べて茶色の糞を排出するコウモリガが挙げられます。こうした害虫は幹の中にいるため発見しにくく駆除が難しいです。また、ヒメヨコバイは幼虫も成虫も葉を吸汁し、年に3回も発生する厄介な害虫で、被害に遭ったぶどうは、葉が白く変色しカスリ状になってしまいます。大量発生で果実の成育に影響が出るので注意が必要な害虫です。また葉を穴だらけにするコガネムシや、ぶどうの果面を食べるアザミウマは、成育に影響を及ぼします。このような害虫には殺虫剤が有効的です。食べ物に使える殺虫剤でしっかりと予防しましょう。

 

3. 収穫

ぶどうの収穫は涼しい早朝に行います。気温の高いときは、ぶどうの温度も高いので日持ちが悪くなるため収穫しません。穂軸を持って果粒を傷つけないように収穫すれば、ブルームも落とすことなく収穫できます。傷つけないように丁寧に収穫しましょう。

 

4. 日本で育てやすい品種

日本の気候は高温多湿なので、アメリカ種が育てやすいとされていました。しかし、アメリカ種はヨーロッパ種に劣るケースがあるため、2つを掛け合わせた欧米雑種が出てきました。代表的なものは巨峰やピオーネです。これは日本独自の交配種で、よく知られた品種です。生食用ぶどうとして広まったぶどうでも、ワインに利用できたりするデラウエアも欧米雑種です。日本は、環境にあった品種を開発し、栽培しやすくおいしいぶどうを育てています。