ワイン専用に作られるぶどうの特徴とは?生食用のぶどうとの違い

1. ワイン用のぶどうがある

生食でもおいしいぶどうですが、そのぶどうで造られるのがワインです。実はワインは生食用のぶどうではなく、ワイン用のぶどうで造られているのです。ワインに使われるのは主にヨーロッパぶどうの種から出来るもので、生食用にはアメリカぶどうの種から出来ているものが使われています。ヨーロッパぶどうの種から出来るぶどうはワイン製造に向いており、日本ではぶどうジュースやお菓子にも使われています。

 

2.生食用とワイン用の特徴の違い

ワイン用のぶどうの特徴は生食用と異なり、皮が厚いのが特徴です。それはワインが持つ特有の香りや色の元が皮にあるためで、生食用の場合はあまり皮が厚いと食べにくく好まれませんが、ワインを造るにあたっては、その皮の部分がとても重要となります。また皮と同様に種も大きいです。この大きな種は、特に赤ワインの渋みになります。しっかり種が入っているほうが、コクもありおいしいワインになるという訳です。生食では人気の種無しぶどうですが、そういった理由から、ワイン用に使うには魅力がありません。味わいにも大きな違いがあります。生食用のぶどうは、皮も薄く大粒で実の部分が多くジューシーなものが好まれます。ところがワイン用は小粒が良く、香味や酸味や渋みがその中に濃縮されたようなぶどうの方が向いています。糖分もワイン用ブドウのほうが甘く濃厚です。

 

3.生食用とワイン用の育て方の違い

生食用とワイン用では育て方にも違いがあります。生食用は養分を含んだ土壌がいいですが、ワイン用は水はけが良くて痩せた地を選びます。果実に養分を集めるために、やせた土地だと、ぶどうの木が養分や水分を貯めようとするので、濃縮された果実が造られるのです。また、生食用は屋根スタイルの棚を作って、手入れがしやすいようにハウス栽培となりますが、ワイン用は垣根を作ります。ぶどうの木につく房の数を制限し、果実を濃縮させることが出来るのです。そのことから、ワイン用ぶどうの場合は、育成が良くない枝を落とす「夏季剪定」が行われます。垣根も夏季剪定も目的に適した方法で、手入れや栽培をしておいしいぶどうを育ててくれるのです。

 

4.ワイン専用のぶどう

黒ぶどうと呼ばれるぶどうは赤ワインに使われます。黒味がかかり深紫の皮の色は、赤ワイン特有の色となります。白ワインに使うぶどうは、黄緑色や黄色が特徴です。ワイン以外にも料理やオイルなどにも利用されています。ワイン用のぶどうは、生食用としては食べにくいかもしれませんが、味は濃厚で糖度も高く味わいがあります。生食用のデラウエア種のように、生食用にもワイン用にも使われているものもあります。生食用はもちろん、ワイン用も同じようにおいしいぶどうから造られています。病気や害虫被害対策は同じように手もかかり、味もとてもおいしいです。機会があればワイン用ぶどうも食してみるといいですね。