マスカット・オブ・アレキサンドリアはクレオパトラも愛したぶどう
マスカット・オブ・アレキサンドリアは、あの有名な古代エジプトの女王であるクレオパトラも愛したぶどうだと言われています。マスカット・オブ・アレキサンドリアの誕生はとても古く、紀元前からすでにエジプトで栽培されていました。エジプトの第2の都市であるアレキサンドリア港を起点として、そこから各地に広がっていったのです。そのため、マスカット・オブ・アレキサンドリアの「アレキサンドリア」はその都市の名前からつけられました。
古代エジプトの女王にあやかったのかは定かではありませんが、マスカット・オブ・アレキサンドリアは別名「果物の女王」と呼ばれています。奥行きのある高貴な味わいと爽やかな香気なぶどうによく当てはまったネーミングです。
ちなみに、マスカット・オブ・アレキサンドリアの「マスカット」の部分は「musk(マスク、ムスク)」からきています。muskとは古代の時代から愛されてきた香水の原料の「麝香(じゃこう)」のことで、麝香のような芳醇な香りがすることからマスカットとつけられました。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの旬
マスカット・オブ・アレキサンドリアの旬は9月〜11月頃までです。しかし、これは通常の無加温栽培(暖房器具を使わない栽培方法)の場合です。暖房器具を使う栽培の場合は、完熟時期を調整できるため、もっと早くから出荷することができます。暖房器具を使う栽培方法のものは、大体5月下旬からお店に並び始めます。
暖房器具を使う栽培方法は暖房代などによりコスト面が通常よりもかかるため、値段が無加温栽培のものよりも高くなります。あまり流通がなく、希少性があることもその理由の1つです。そのような理由から、私達が見かけるほうのマスカット・オブ・アレキサンドリアの旬は9月〜11月になります。
マスカット・オブ・アレキサンドリアはワインの原料にもなっている
マスカット・オブ・アレキサンドリアは果肉がたくさん詰まっている上に糖度も高いことから生食用が多く栽培されていますが、一部ワインの原料としても栽培されています。ワイン用も生食用と同じく温室栽培されていますが、収穫時期はワイン用のほうが遅くなるようです。その理由はワインの糖度を上げるためです。本来のマスカット・オブ・アレキサンドリア自体が甘い果物のため、ワインに仕上げた場合はさらに濃厚な味わいとなります。ぶどう由来の甘さなので、コクがあり美味しくいただくことができます。また、アルコール度数も低くなっているため、ワインやお酒が苦手という方でも美味しく飲めるようなワインです。
マスカット・オブ・アレキサンドリアのワインは香りにも特徴があることで有名です。ぶどう由来のとても華やかで甘い匂いがします。この匂いは、揮発しやすい性質のため、一度ワインを開けたらすぐに飲みきってしまうほうが良いでしょう。開けてからしばらくすると匂いがしなくなってしまいます。
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