ぶどうのハウス栽培

1.ハウスの準備

南陽市のぶどう栽培は、主に雪解けを待って3月にハウスをかける作業が始まります。ハウスが風でとばされてしまわないように、パイプにしっかりと縛りつけます。作業が行われるのも、風の少ない早朝から行われます。ハウスはパイプ全体を覆うようにかけるため、大変体力のいる仕事です。それでもおいしいぶどうを作ることができるので、手間を惜しむことなく行われます。

 

2.ビニールハウスの利点

何故ハウスをかけるかというと、ぶどうは雨に当たってしまうと病気になりやすいからです。ハウスを作る事はぶどうにとっていい環境を作ることで、効果として病気になりにくく、農薬を使わなくても良くなります。農薬を減らせることで、人が口にしても安全性の高い作物を提供する事が出来て、さらに農薬のコストも削減できます。また、温度や湿度などビニールハウス内の環境をコントロールすることで、生育を早めたり、収穫の時期を調整したりする事が出来ます。出荷時期をずらすと、市場も飽和になるので価格も下がり、買いやすくなります。自然な環境で時期をずらすだけなので、美味しさは変わらず提供できます。

 

ハウスを作る事でいい事があるのはぶどうだけではありません。雨の日でもお手入れがしやすいので、生産者がよりぶどうに手間をかけることが出来ます。天候による栽培への影響も減らせ、安定した成育環境を保つことが出来、いいぶどうが出来るのでです。またビニールハウス内は外との環境を遮断する役割もあるので、動物の侵入を防ぐこともできます。これらは、今までのぶどう栽培の歴史の中での生産者の経験や、技術や知恵が実を結んだ栽培方法と言えます。ただ、ハウス栽培はある程度の初期費用がかかります。台風などの災害に合った場合は、修繕や建て替えなどの被害も大きなものになってしまいます。ハウスを長く保つには、風と雪に強いパイプと、ビニールを張り替える事で性能を保っていく必要があります。