手間暇かけて愛情をたっぷり注ぎ込まれたぶどうが美味しくなります

1.農家の方が行っている美味しいぶどうを作るための工夫とは

思わず深呼吸したくなる芳醇な香りと、口の中いっぱいに広がる甘くてジューシーな果汁が美味しいぶどうが好きな方は多いのではないでしょうか。そんなぶどうが消費者の手元に届くまでには、想像を超えるような手間暇が注ぎ込まれています。すべて手作業で行うため、農家の方々のたっぷりの愛情なくては、このような美味しいぶどうは作ることはできないのです。どのような工夫が行われているのでしょうか。

 

2.ビニールハウス内で育つ

地域によっても異なりますが、ぶどうの木の多くはビニールハウスで育ちます。ビニールハウス内部は気温だけでなく地面の温度も上がるため、ぶどうの木から新芽が芽吹きやすくなるのです。

3.美味しいぶどう作りに欠かせない芽かきとは?

「芽かき」とはぶどうの木から出た芽に対して行う作業のことをいいます。「主芽」と呼ばれるこれから育てたい芽を残し、脇から出た「副芽」を摘み取ります。「芽がたくさんある方がたくさんのぶどうを作れるのでは?」と思うかもしれません。しかし、副芽を摘み取ることによって栄養分が分散するのを防ぎ、残された主芽の方に栄養分を集中させることができるのです。この作業が結果として美味しいぶどうを作ることに繋がります。

 

4.副芽だけでなく副穂も摘み取る

「穂」とは花が咲く前のつぼみが連なったもののことですが、ぶどう作りの過程では副芽を摘み取る芽かきと同様に、穂を摘み取る作業も行います。これからぶどうを実らせる「主穂」だけを残し、脇から出た「副穂」は摘み取るのです。このことによってひとつのぶどうに栄養分を集中させて、美味しいぶどうを作ります。

 

5.日光が均一に当たるようにする誘引作業

ぶどうはつる性の植物なので、何も手を加えずにそのままにしておくと好き放題に伸びてしまいます。そうすると、日陰ができて均一に育たなくなるのです。そこで、誘引作業を行います。ビニールハウス内に張り巡らせてある棚にバインド線でつるを結びつけ、どのつるにも日が均一に当たるように調整します。植物は一度に成長するわけではないので、様子を見ながらその都度この誘引作業を行う必要があります。

 

6.つるの成長を止めるための摘心

「摘心」とは、つるの先端部を摘み取ることをいいます。そのままにしておくとつるはどんどん伸び続けて、栄養分を使ってしまいます。つるではなくぶどうの実の方に栄養分を行きわたらせたいので、それ以上伸びないように先端部を摘み取ってしまうのです。

 

7.ぶどうの房への摘粒で最後の仕上げ

何度も手を加えてぶどうの実に栄養分が集中するようにしますが、最後にぶどうの房に対してもさらに美味しくするために手を加えます。見栄えを良くするために房の下の部分を切って整形したり、ぶどうの粒を間引いたりします。このぶどうの粒を間引く作業のことを「摘粒」といいますが、摘粒することによって一粒をより大きく粒ぞろいを良くします。