1.甘くて美味しいぶどうは最高の環境から
甘くて美味しいぶどうを作るためには手間暇や愛情を惜しまずかけることも大切ですが、土壌や気温といった環境がものをいいます。古くからぶどう作りがさかんに行われてきた地域は環境が整っていたからこそ、今まで受け継いでこれたという面もあります。そんなぶどう作りに適した環境とは、どのような条件が揃ったものなのでしょうか。
2.農作物にとって欠かせない水はけの良い土壌
ぶどう作りに適した環境を整えるための条件としてまず挙げられるのは、「水はけの良い土壌」です。なぜなら、水はけの良くない土壌では根腐れが起きる可能性があり、十分にぶどうに栄養が行きわたらせることができないからです。水はけの良い土壌ではぶどうといった果物はもちろんのこと、その他の農作物もすくすくと育ちやすくなります。
3.ぶどうのジューシーさの秘訣はきれいな水
ぶどう作りに適した環境として次に大切なのは、「きれいな水が豊富にあること」です。ぶどうは食べた時に口いっぱいに広がるジューシーな果汁が美味しさの秘訣となっています。周囲の山々に降った雨が山の内部をくぐり抜けて湧き出たきれいな水が豊富にある環境では、さらに香り高くて口に入れた瞬間に果汁がほとばしるようなジューシーなぶどうになります。
4.昼と夜との寒暖差で甘さを蓄える
甘くて美味しいぶどうを作るためには、「昼と夜との寒暖差」が欠かせません。昼は暖かな日差しをたくさん浴びて光合成を行い糖類を作りますが、寒暖差がなければ夜の間に呼吸をしてその蓄えた糖類を消費してしまうことになります。植物も人間と同じようにエネルギーを使って呼吸をしているのです。しかし、寒暖差がある環境下では夜はぐっと冷え込むため、ぶどうの息をひそめさせます。その結果として、糖類の消費量を減らしてしっかりと実の部分に蓄えることができるのです。また、冷たい夜風がぶどうならではの赤や黒に近い紫といった美しい色合いを生み出します。
5.長い日照時間でより甘さを生み出す
美味しいぶどうを作るためには寒暖差も大切ですが、やはり「昼の間にどれだけ光合成をして糖類を生み出せるか」が重要です。日照時間が長い場所では昼の間により多くの糖類を作り出すことができるので、甘さがぎゅっと凝縮したかのような美味しいぶどうができます。とくに日光を遮るものがない盆地では日照時間が長いため、ぶどう作りに適しています。そのため、盆地では古くからぶどう作りがさかんに行われてきました。
6.降水量の少なさで香り豊かなぶどうに
ぶどう作りには、きれいな水が豊富にあることが欠かせません。しかし、雨が降り過ぎるといくら水はけの良い土壌でも根腐れする可能性があるだけでなく、光合成をする時間が減少してしまうため、「降水量が少ない場所」の方がぶどう作りに適しています。とくにぶどうの実がなって成熟していく期間に降水量が少ないと、風味が損なわれることなく香り豊かなぶどうになります。
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